S.20'   9月~10月  終 戦 !

    そ し て 、米 軍 の 進 駐 ・・・

 

 辺りを見回すと、雲ひとつない秋晴れの空に、庭先の赤く熟し始めた柿が照り映えて、いつもと変わらない、のどかで美しい景色が広がっていました。 まもなく、お兄ちゃんが帰ってきたので、ボクはその事をお兄ちゃんに話し始めました。

 ちょうどその時、重厚な飛行機の爆音が近づいてきたのです。 「 ロッキードだ!」とお兄ちゃんの指差す方を見ると、胴体が二つに分かれた不思議な形の飛行機が、3機づつの編隊を組んでいくつもいくつも、低空飛行でボクたちの真上を通り過ぎようとしました。

その時ボクは急に空襲の事を想いだし、思わず傍らに有った小石を拾い「 バカヤロウ!」と言いながら飛行機を目掛けて投げつけたのです。 

 

 しかし、それは日本軍の高射砲が B29に届かなかったように、空しく小さな弧を描いて畑の中にポトンと落ちただけでした。 

 ボクは、遠ざかって行く爆音と、機影が見えなくなるまで見送っていました。

 

 そして、この時、ボクの戦争も終わりを告げたのです。 


 

 戦後、間もなくの佐世保駅前 ( 汽車を待つ、進駐軍 )
 戦後、間もなくの佐世保駅前 ( 汽車を待つ、進駐軍 )